060611掲載
僕は、文化庁メディア芸術祭の委員の仕事がとてもすきだった。審査のための作業はやけに大変なのだけれど、その審査を通じて、日々の怠慢生活では出会えない世界の秀作に触れることができるし、なんといったって各界の委員の人と価値観を交わすことができる。とにかくすごく勉強になるのである。(そのために仕事を数週間を犠牲にするが、逆にいえばこんな機会はなかなかない)
それだけの大作業であるから、すべての手続きを経て受賞作品が無事決定すると、審査委員の間では大きな達成感が漂う。なもんだからそのあとの打ち上げが、これまたたのしいのである。
さて、以前にこちらで書いたのだが、本当に自分たちも作品を応募し、賞を狙うのであれば、審査員を引き受けるべきではない、という話。
今年は(間に合えばの話だが)、シーマン2でなんとか応募までこぎつけたい。そして無事応募にこぎつけたならば、なんとか受賞したい。
そういう思いが募り、先々週、文化庁からいただいた委員の打診を悩んだ末にお断りした。意義深い機会であるから、誠に残念であったけど、クリエーターであることが本業なのだからいたしかたない、との決断である。チームのメンバーには今回はだれにも相談しなかった。
これはある意味、かなりのわがままである。審査会には、そして委員のメンバーには、迷惑をかけることになるだろう。今まで数多くの課題を通じてすりあわされてきた数々の審査の文脈がそこには、ある。別の委員の方をこれから探すとなると、これはこれで大きな負荷を負う方がでるに違いない。文化庁の方にも、あるいは委員の方にも申し訳ない気持ちである。
ま、しかし、その審査にかけるエネルギーといい情熱といい、これまで経験してきてたどの賞の審査よりもそれらが高い。そんな賞に、一応募者として関われることを誇りに思いたいのである。
いろいろと新しいことばかりをやりたがる自分なもんだから、完成までは前途多難である。かくいう今日、雨ふる日曜日も、若きメンバーとミーティングをしてそのあと焼肉という状況である。
この決断がひとつの励みとなって、作品がはやく完成するといいなぁ・・・・と思いつつ、新しい週があと10分後に訪れようとしている。焦らず、そして急ごう・・・。
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